少女七竈と七人の可愛そうな大人

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

少女七竈と七人の可愛そうな大人 (角川文庫)

母が亡くなり、自分が分からなくなっていんらんな旅人となった母、そして産まれた遺憾ながらも美しい少女・七竈。愛するものは鉄道模型、そして同じく美しい少年・雪風。色んな視点から七竈の周りの人物が動くオムニバスっぽいお話。
物語はそれほど大きく動かないけれど、登場人物がこぼれることなくみんなエピソードを持っているところが素敵。情景描写が多いのも好みである。七竈と雪風の関係性は綺麗だなぁ、と。個人的には元警察犬視点の「犬です」がほっこりして好きだった。全体のストーリーのオチはちょっと、それだけ?とも思ったけれど、最後にどんでん返しがあると思いきや特になかったのが逆に意外ではあった。
最近人気の作家さんなのですな。しらんかったー。